はじめに

子ども時代の体験は、成人後の考え方や人間関係だけでなく、精神疾患や身体疾患の発症リスクとも関係することが分かっています。その関係を公衆衛生の観点から捉える代表的な概念が、逆境的小児期体験です。英語ではAdverse Childhood Experiencesと呼ばれ、頭文字を取ってACE、複数形ではACEsと表記されます。

ACEは、成人期の苦しさを本人の性格や努力不足だけで捉えず、その背景にある小児期の生活史まで含めて理解するための有用な枠組みです。一方、精神疾患の診断名でも、個人の将来を予言する検査でもありません。本記事では、古典的な10項目、成人期の健康との関連、ACEスコアの限界、支援や治療について解説します。

逆境的小児期体験(ACE)とは

逆境的小児期体験とは、子どもの安全、安定した生活、他者との結びつきを損なう可能性のある、強いストレスを伴う体験を指します。現在の米国疾病対策センター(CDC)は、0~17歳に起こる暴力、虐待、ネグレクト、家庭や地域での暴力の目撃、家族の自殺などをACEの例として挙げています。さらに、家族の依存症、精神的な問題、親の別居、家族の収監など、家庭の安定を揺るがす状況も含めています。

ACE研究の出発点となったのは、CDCと米国の医療組織カイザー・パーマネンテが1995~1997年に行った大規模調査です。南カリフォルニアで健康診断を受けた医療保険加入者1万7337人が、18歳までの家庭環境や虐待経験、成人後の健康状態について回答しました。1998年に発表された代表的な論文では、子ども時代の虐待や家庭内の困難が多いほど、成人後の健康リスクや健康を損なう行動が段階的に増えることが報告されました。

ここでいう「段階的に増える」とは、ACEが一つあれば必ず病気になるという意味ではありません。ACEが0個の集団、1個の集団、2個の集団というように比べると、項目数が増えるにつれて、集団全体では好ましくない健康状態が多くなる傾向が見られたという意味です。このような関係を、研究では用量反応関係と呼びます。

最初の1998年の報告では、心理的虐待、身体的虐待、性的虐待と、家庭内の困難を合わせた7領域が分析されました。その後の集計では、親の別居・離婚や、第2期調査で尋ねられた心理的・身体的ネグレクトを含む10項目が広く用いられるようになりました。したがって、「ACE研究の最初の論文」と「現在普及している10項目」は、厳密には完全に同じものではありません。

ACEという概念の意義は、子ども時代の出来事と成人後の健康を、心だけ、あるいは体だけに分けずに理解した点にあります。ただし、ACEは診断名ではありません。ACEが多いことと、PTSDやうつ病があることは同じではなく、ACEが少なくても治療を必要とする人はいます。

ACE10項目とACEスコアの数え方

古典的なACEは、「虐待」「ネグレクト」「家庭環境上の困難」という三つの領域に分けられます。以下の10項目は、いずれも18歳までの体験について尋ねるものです。

虐待に関する3項目

1.心理的虐待

家庭内の大人から繰り返し侮辱される、見下される、脅されるなど、子どもの尊厳や安心感を損なう扱いを受けた体験です。

2.身体的虐待

家庭内の大人から押される、つかまれる、叩かれる、物を投げつけられる、けがが残るほど殴られるなどの体験です。

3.性的虐待

年上の人物から性的な意図で身体に触れられる、相手に触れるよう求められる、性交を試みられる、または強いられるなどの体験です。加害者は家族に限りません。

ネグレクトに関する2項目

4.心理的ネグレクト

家族から大切にされていると感じられない、愛情や支えをほとんど受けられないなど、子どもの感情や存在が長期間顧みられない体験です。

5.身体的ネグレクト

十分な食事、衣類、保護、医療、日常的な世話などが得られない状態です。養育者が飲酒や薬物の影響で世話をできなかった場合も含まれます。

家庭環境に関する5項目

6.家庭内におけるパートナー間暴力

原調査では母親または継母への暴力が尋ねられました。現在では性別に限定せず、養育者間の暴力を目撃したり、その恐怖にさらされたりする体験として理解できます。

7.家族のアルコール・薬物問題

同居家族に、生活や人間関係へ影響するほどの飲酒問題や薬物使用があった体験です。

8.家族の精神疾患や自殺企図

同居家族に精神的な問題や自殺企図があり、そのために養育や家庭生活が不安定になった体験です。精神疾患の存在そのものが子どもを傷つけるという意味ではありません。

9.両親の別居または離婚

両親の別居や離婚を経験したことです。離婚自体ではなく、その前後の対立、生活の不安定化、一方の親との断絶などが影響する場合があります。

10.家族の収監

同居家族が刑務所などに収監された体験です。家族との分離に、生活や経済面の変化が重なることがあります。

ACEスコアは、該当する領域を一つにつき1点として数え、0~10点で表します。たとえば、心理的虐待が何年も続いていても、その項目は1点です。心理的虐待と身体的虐待の両方があれば2点になります。同じ出来事の回数を足し合わせるのではなく、経験した「種類」の数を数える仕組みです。

CDCが公表している元の調査データでは、36.1%がACE 0個、26.0%が1個、15.9%が2個、9.5%が3個、12.5%が4個以上でした。つまり、約64%が少なくとも一つのACEを報告しています。ただし、この調査は1990年代の米国の医療保険加入者を対象としており、その割合をそのまま現在の日本人全体へ当てはめることはできません。

ACEは成人期の精神疾患とどのように関係するのか

ACEと健康との関連を考える際には、「オッズ比」という統計指標がよく使われます。オッズ比は、ある出来事が起きる起こりやすさを二つの集団で比べた値です。1であれば差がなく、2であれば一方の集団でオッズが約2倍であることを示します。ただし、オッズ比2は「発症する確率が必ず2倍」という意味ではありません。もともとの発症率によって、実際の確率の差は変わります。

Hughesらは、複数のACEと健康との関連を調べた37研究、合計25万3719人のデータを統合解析しました。ACEが0個の人と4個以上の人を比較すると、不安についてはオッズ比3.70、抑うつについては4.40でした。これは、複数の逆境を経験した集団では、不安や抑うつが報告されるオッズが明らかに高かったことを示します。

物質使用との関連も強く、問題のある飲酒はオッズ比5.84、問題のある薬物使用は10.22と報告されました。飲酒や薬物使用を単なる「意志の弱さ」と考えるのではなく、強い不安、緊張、孤独、眠れなさなどを一時的に和らげる対処として始まり、その後に依存へ進む場合があることを理解する必要があります。

特に大きな数値が報告されたのは自殺企図で、ACE 4個以上の人は0個の人と比べてオッズ比30.14でした。ただし、この数字を「ACEが4個以上なら、自殺企図の確率が30倍になる」と個人に直接当てはめてはいけません。対象者の年齢や調査方法が異なる研究を統合した値であり、研究間のばらつきも大きいためです。それでも、複数のACEと自殺関連行動に強い関連があることは、過去の体験を含めた丁寧な評価と早期支援の重要性を示しています。

これらは因果関係を直接証明するものではありません。たとえば、ACEを経験しやすい家庭では、遺伝的要因、貧困、地域環境、成人後のストレスなどが重なっている可能性があり、過去を振り返る回答には現在の心理状態も影響し得ます。それでも、多くの集団で段階的な関連が確認されていることは事実です。

ACEは成人期の身体疾患とも関係する

ACE研究が注目された大きな理由の一つは、子ども時代の逆境が成人後の精神面だけでなく、身体疾患とも関連していたことです。

先ほどのメタ解析で、ACEが0個の人と4個以上の人を比較すると、糖尿病のオッズ比は1.52、心血管疾患は2.07、がんは2.31、肝臓・消化器疾患は2.76、呼吸器疾患は3.05でした。心血管疾患とは、心筋梗塞や狭心症など、心臓や血管に関係する病気の総称です。呼吸器疾患には、慢性気管支炎や肺気腫などが含まれます。

心理的な苦痛がそのまま心臓病やがんに影響するわけではありません。喫煙、過度の飲酒、過食などの健康行動、睡眠や自律神経、免疫・炎症に関わる仕組み、さらに学業、就労、経済状況、医療へのアクセスといった社会的影響が重なり、長い時間をかけて身体疾患のリスクに差が生じると考えられています。

これらは観察研究で示された関連であり、因果関係を証明したものではなく、ACEが各疾患を直接引き起こしたと断定することはできません。高得点でも将来必ず病気になるわけでもありません。

なぜ子ども時代の体験が、大人の心と体に影響するのか

人間には、危険に直面したときに身を守る仕組みがあります。心拍数が上がり、呼吸が速くなり、筋肉に力が入り、注意が危険へ向くのは、その場から逃げたり、身を守ったりするための正常な反応です。いわゆる交感神経が強く働いている状態です。危険が去り、安全な人に守られれば、通常は身体も落ち着いていきます。

問題になるのは、強い緊張が長期間続き、子どもが安心を取り戻すための支えを得られない場合です。このような持続的で過剰なストレス反応は「毒性ストレス」と呼ばれます。毒性という言葉は、つらい体験をした子どもの体が壊れてしまうという意味ではなく、本来は短時間働くはずのストレス反応が長く続き、発達中の脳や免疫、ストレス調整の仕組みに負荷をかけ得ることを表しています。

ただし、強い出来事がすべて毒性ストレスになるわけではありません。家族の死、重い病気、災害などの大きな体験があっても、信頼できる大人がそばにいて、子どもの安全を確保し、感情を受け止めることで、ストレスの影響は和らぎます。体験の大きさだけでなく、その後に安心を回復できたかが重要です。

心理面では、危険な状況に適応するために身につけた考え方や行動が、大人になっても続くことがあります。たとえば、家庭内の機嫌の変化を常に読まなければならなかった子どもは、大人になってからも周囲の表情や声に過敏になるかもしれません。人に頼っても助けてもらえなかった人は、限界まで一人で抱え込むことがあります。

これらは性格上の欠点ではなく、当時の環境で自分を守るための方法だった可能性があります。しかし、現在の環境が以前より安全になっても警戒が続けば、慢性的な疲労、不眠、不安、人間関係の難しさにつながります。

飲酒、喫煙、過食などが苦痛を一時的に下げる対処となる場合もあり、学習、就労、孤立などを介した社会的経路もあります。ACEの影響は、生物学的、心理的、行動的、社会的な経路が重なって生じ、単一の脳部位やホルモンだけでは説明できません。

ACEの10項目だけが、子どもの逆境のすべてではない

古典的な10項目は、研究の出発点として非常に大きな役割を果たしました。しかし、子どもが経験する逆境はこれらだけではありません。

たとえば、いじめ、友人からの仲間外れ、学校での暴力、地域での犯罪や暴力、貧困、食料不足、差別、戦争、災害、大切な人との死別、重い病気や長期入院などは、古典的な10項目では十分に捉えられません。

WHOが国際調査のために作成したACE-IQでは、家庭内の問題だけでなく、いじめ、地域暴力、集団的暴力なども評価に含めています。また、古典的な尺度へ仲間からの被害、地域暴力、社会的孤立、低い社会経済状況などを加えることで、健康状態をよりよく説明できる可能性を示した研究もあります。

反対に、古典的ACEの項目に該当すれば、必ず同じ程度の影響を受けるわけでもありません。たとえば、両親が離婚しても、対立が少なく、生活が安定し、両方の親との関係が保たれる場合があります。一方、離婚していなくても、激しい対立や暴力が長年続く家庭もあります。

ACEスコアが0点または低得点だからといって、子ども時代に苦しい体験がなかったとは言えません。逆に、高得点だからといって、その人の人生を逆境だけで説明することもできません。点数よりも、何が起きたのか、それを本人がどのように経験したのか、どのような支えがあったのかを個別に理解することが重要です。

ACEスコアを自己診断に使うことの限界

ACEスコアは、集団の傾向を研究するためには便利です。異なる種類の逆境を同じ方法で数えることで、ACEの数と健康状態との関係を大規模に分析できます。しかし、個人の診療で点数だけで小児期の体験を判断してしまうと、多くの重要な情報が失われます。

第一に、ACEスコアは体験の強さ、頻度、期間を十分に反映しません。一度だけ起きた体験と、何年も繰り返された体験が、同じ1点になることがあります。ACE 1点でも、重く持続的な虐待を経験した人がいる一方、比較的軽い複数の体験によってACE 4点になる人もいます。

第二に、体験した年齢や発達段階、行為者との関係、その後に安全が回復したかといった違いが点数に入りません。第三に、安心できる養育者、信頼できる教師や友人、地域とのつながりなどの保護因子も含まれません。

ACE研究の著者を含む研究者は、ACEスコアを、個人の病気のリスクを判定したり、治療の必要性を決めたりするための標準化された検査として使うことに注意を促しています。集団の平均的なリスクを、そのまま目の前の一人へ割り当てれば、実際のリスクを過大評価したり過小評価したりする可能性があるためです。

また、過去の体験を尋ねること自体にも配慮が必要です。回答を求めるのであれば、なぜ尋ねるのか、答えたくない項目には答えなくてよいこと、情報がどのように扱われるのかを説明しなければなりません。苦しい体験を開示した後に支援がなく、点数だけが記録されるような聞き取りは、本人に負担を与える可能性があります。安全、信頼、本人の選択、協働を重視することが、トラウマに配慮した支援の基本です。

インターネット上のACE質問票を自分で行う場合も、点数を病名や重症度として扱わないことが大切です。苦しさの程度は、ACEの数ではなく、現在の症状、生活への支障、安全性、周囲の支援などを含めて評価されます。

逆境を経験しても、その後の人生が決まるわけではない

ACEと健康問題の間に関連があることは、過去が未来を決定するという意味ではありません。同じような体験をしても、その後の状態は人によって大きく異なります。

影響を左右する要因には、生まれ持った気質、体験の内容や期間、安心できる大人の存在、友人関係、学校や地域の環境、その後の生活の安定性、利用できる医療や福祉などがあります。逆境の影響を和らげる経験は、幼少期だけでなく、成人後にも得られます。

近年は、逆境だけでなく「肯定的な子ども時代の体験」にも注目が集まっています。たとえば、親以外の信頼できる大人がいた、支え合える友人がいた、学校に居場所を感じられた、地域行事などを通じて共同体とのつながりがあった、といった経験です。

日本の成人2万8617人を対象とした2024年の研究では、このような地域に関連する肯定的体験が多い人ほど、ACEを考慮した後でも、成人期の抑うつ、強い心理的苦痛、慢性疼痛、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患などが少ない傾向が示されました。ACEがある人の中でも、肯定的体験が3個以上ある群では、0~2個の群と比べ、脳卒中の調整後有病割合が2.4%から1.2%、慢性閉塞性肺疾患が2.2%から0.7%、強い心理的苦痛が16.4%から7.4%へ低下していました。ただし、横断研究であるため、肯定的体験が直接これらの差を生んだと、因果関係を断定することはできません。

「レジリエンス」という言葉は、困難から回復する力を表すために使われます。しかし、逆境を経験した本人に「強くなれば乗り越えられる」と求める概念ではありません。回復しやすさは、本人の努力だけでなく、安全な環境、信頼できる人間関係、経済的支援、医療や福祉へのアクセスによって支えられます。

過去の体験を変えることはできませんが、現在の安全を確保し、人との関係を見直し、必要な治療を受けることで、症状や生活は変化し得ます。ACEを知ることは、変われない理由を見つけるためではなく、これまでの反応を理解し、利用できる支援を増やすために役立てるものです。

過去を振り返る目的は、親を責めることではない

子ども時代を振り返ると、「親を悪者にしているようで苦しい」「親も大変だったのだから、自分が傷ついたと言ってはいけない」と感じる人がいます。

しかし、親の事情を理解することと、子どもだった自分の体験を認めることは両立します。親に悪意がなかったとしても、子どもにとっては怖く、寂しく、混乱する体験だった可能性があります。親がその時点でできる限りのことをしていたとしても、子どもに必要な支えが十分ではなかったこともあります。

親自身も、貧困、孤立、病気、暴力、自分の幼少期の逆境などの影響を受けていた場合があります。この連鎖を知る目的は問題を正当化することではなく、家族や社会の状況まで含めて理解することです。過去を振り返る際には、誰が悪いかを決めるより、現在の反応がどのように形づくられたかに目を向けます。

その理解が進むと、「自分が弱いから苦しい」という見方から、「この反応は、当時の環境で自分を守るために必要だったのかもしれない」という見方へ変わることがあります。そのうえで、現在も同じ守り方が必要なのかを考えられるようになります。

ただし、過去を理解すれば親を許さなければならないわけではありません。現在も暴力や支配が続いている場合には、話し合いや和解よりも、安全な距離を確保することが優先されます。家族へ自分の理解を伝えるかどうかも、本人が選ぶことです。

ACEによる影響が疑われるときの支援と治療

ACEの影響が疑われるときも、治療はACEスコアだけでは決まりません。まず確認するのは、現在どのような症状があり、生活にどの程度の支障が生じているかです。

たとえば、気分の落ち込み、興味の低下、不眠、強い不安、過去の記憶が突然よみがえること、悪夢、過度の警戒、解離、飲酒や薬物使用、自傷、希死念慮などを評価します。同時に、現在も暴力や虐待を受けていないか、住居や経済面が安全か、支えてくれる人がいるかも確認します。

うつ病、不安症、PTSD、依存症などの診断基準を満たす場合には、それぞれに対する治療を行います。ACEが背景にあっても、すべてを「トラウマ反応」として一括りにするのではなく、現在の病状を正確に評価することが重要です。

薬物療法は、過去の体験そのものを消す治療ではありませんが、うつ、不安、不眠などを軽減し、生活を立て直す助けになることがあります。心理療法では、現在の考え方や行動を扱う認知行動療法、長く続く自己像や人間関係のパターンを扱うスキーマ療法や精神力動的心理療法などが選択肢になります。

PTSDまたは臨床的に重要なPTSD症状がある場合には、トラウマに焦点を当てた認知行動療法やEMDRなど、効果が検討されている治療法があります。ただし、過去にACEがあるだけで、すぐにトラウマ記憶を詳しく扱う治療が必要になるわけではありません。治療法は、本人の症状、希望、安全性、治療を受ける準備が整っているかを踏まえて選びます。

心理療法の目的も、記憶を無理に掘り起こすことではありません。まずは睡眠や生活リズムを整え、現在の危険を減らし、感情を落ち着かせる方法を増やすことが優先される場合があります。話したくない内容を無理に話す必要はありません。

治療や支援の中で重要なのは、「あなたにはACEが多いから問題が起きている」と説明を押しつけることではなく、本人の体験と現在の困りごとを一緒に理解することです。ACEは、その人の全体を表す点数ではありません。

逆境があったとしても、その人には苦しい環境で身につけた能力、支えとなった関係、現在まで築いてきた人生があります。ACEは成人期の問題を本人の責任だけで捉えない視点を与えますが、スコアは個人の未来を示す診断検査ではなく、10項目で子ども時代のすべてを表すこともできません。

点数そのものより、何を経験し、そのとき何を感じ、現在どのような影響が残り、どのような支援が利用できるのかを考えることが重要です。過去を知ることは、人生が決められていると確認するためではなく、現在の苦しさを理解し、これからの選択肢を増やすための出発点になります。

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参考文献

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